手製本ワークショップ
教えてくれたのはmari先生です。(Instagram:https://www.instagram.com/mari_udoku/)
mari先生とはクラウドファンディングを支援していただいたご縁があり、「学生に手製本の魅力を伝えたい」という思いから今回このようなワークショップを開催されました。
『手製本』とは、字の通り、人の手で一冊一冊製本されたものを言います。
mari先生には、自由に紙を使った手のひらサイズのオリジナル本を作るワークショップを開いていただきました。参加者は自分で好きな紙や材料を持参し、思い出の詰まった本を作ることもできます。
手製本の魅力は、自分の「好き」や「この紙を使いたい」というこだわりを反映することができるところ。本に「好き」を詰め込む大変さや、丁寧に時間をかけて、出来上がった時の喜びも魅力です。
最初に、表紙にする紙選びです。最初の工程ですが、最も頭を悩ませたのはこの紙選びでした。
表紙は紙一枚でもできますが、紙を数種類組み合わせてオリジナル表紙を作ることもできます。
もう一度言いますが、紙一枚でも表紙は作れるのです。
しかし、学生部のクリエイティビティがそうはさせません。
和紙や革加工された紙、エンボス加工された紙…。見た目、色、触り心地…、さまざまな紙を目の前にして、製本の完成イメージがどんどん湧いてきました。
「全部使いたい!」そんな言葉を口にしながら、魅力を感じた紙を個々のセンスを発揮し選んでいきます。
紙を選んだら、製本されたときの表紙をイメージして紙を配置し、貼ります。
ただし、ただ貼るだけではありません。
紙の触り心地、色、特性を感じ取り、触って並べて、イメージして、切ってちぎって、また並べて、イメージして、また直して…と、試行錯誤を繰り返します。
時間を気にせずに集中して取り組む学生の姿をみて、mari先生は
「こうやったらいけないんじゃないか、迷惑なんじゃないか、とは考えず、思うままに表現することが大切。」と、私たちを見守ってくださいました。
mari先生の温かい言葉に包み込まれ、私たちの創作意欲はさらに刺激されます。
そしてなんと、ここまででかかった時間は2時間越え!
学生部も「好き」や「使いたい」を素直に詰め込みました。
各々の感性で表紙を作り終えたらとうとう、一枚の紙をハードカバーにしていきます。
2時間かけて作った表紙がハードカバーになる瞬間は、なかなかの大きな感動でした。
一気に様になり、完成にぐんと近づいた気がしました。
ですが、ハードカバーが完成しても製本ができたとは言えません。
次は見返し部分を貼ります。ここでは、持参した好きな服屋さんの包装紙を使ったり、あえて無地にしたり、ハードカバーに合わせてワンポイント工夫します。表紙を開いて感じる世界観に、センスが途切れることはありません。
そして次に、「花布(はなぎれ)」「しおり」を選びます。ちなみに、mari先生イチオシなのが「花布」です。
「花布」とは背表紙の内側の上下部分に貼り付けてある布のことです。
どの部分か想像できない方でも、ハードカバーを手に取ったことのある方ならばきっと目にしたことのある部分です。
ほんの少ししか顔を見せませんが、この小さなところにこだわりが詰まっておりとても可愛いのです。
さっそく、自分のハードカバーに合った、花布としおりを選びます。
花布は布といってもただの布ばかりではなく、mari先生が準備してくれた花布にはたくさんの個性が詰まっています。子供の浴衣の切れ端で作ったもの、畳縁やいちご柄。麒麟が描かれたものなど、どれもこれも素敵な布に私たちのワクワクは止まりません。
花布を選んだら、しおり選びです。この一本の紐で本の印象ががらりと変わります。ここでもまた小さな部位にときめきを感じてしまいます。好きな色を何回も本に重ねて選んだり、とっても長くしたり、小さな遊び心が詰まっています。
この小さなこだわりポイントである、花布としおりを内側に貼っていきます。
背表紙の内側には寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれるガーゼのような布と一緒に貼っていきました。
花布としおりにときめき、
寒冷紗をみて小さな頃に本を壊してしまったときの思い出を懐かしみ、
一緒に背表紙に綴じ込めます。
気持ちを込めて、塗り塗り。こだわり部分が外れるんじゃないぞと、気持ちを込めてのりでくっつけます。
これぞ手製本。自分で作ったハードカバーがこだわりを綴じ込めて本の形になりました。
手製本の完成です。
完成した手製本を見て、手に取り私たちはとても感動しました。
紙選び・レイアウトに一枚一枚こだわって作った表紙。
本を開いたところにこだわりを忘れない見返し。
初めて聞いた単語なのにそれはとても小さくて、こだわりがぎゅっと詰まっている花布。
一本の紐におもしろさを詰めたしおり。
全ての工程がとても楽しくて、集中した4時間が本当にあっという間でした!
今回は学生部一同、貴重な経験をしました。手製本ワークショップサイコーでした。
~mariさんの今後のイベントのご紹介~
11月5日(日)、18日(土)に版画と手製本でつくる手のひらノートワークショップが開催されるそうです。詳しい情報はmariさんのInstagramアカウント(https://www.instagram.com/mari_udoku/)をチェックしてみてください!
記事を書いた人
三上
8BOOKs SENDAI学生部
2002年生まれ、青森県出身。東北大学経済学部所属。
本は好き。読書は苦手。国語は得意。 趣味はいろいろ。ルービックキューブとか、オンラインで麻雀とか。 散歩もする。といっても遠回りして帰るだけ。ランニングもする。 インドアだし、アウトドア。だけど、「やっぱり一人で楽しんでいるんだね。」これはさっき言われた。
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