荒川

コミュニティプランナー

1999年生まれ。福島県出身、仙台市在住。大学では建築について学ぶ。新卒として8BOOKsに入社し、主に施設管理をおこなっている。趣味は映画鑑賞。年間を通して映画を200本以上見るがジャンルが偏りすぎているのが玉に瑕。

好きな作家

湊かなえ
江戸川乱歩
アガサクリスティー
アンソニー・ホロヴィッツ

山田

デザイン企画

1996年生まれ。宮城県石巻出身、仙台在住。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)空間演出デザイン学科卒。8BOOKsではデザインに関わる仕事を担っている。遠出が極端に苦手だが、散歩は好きで、引っ越しの回数は人より多い。

好きな作家

三浦綾子
高瀬準子
町田康
モーパッサン

千葉

動画撮影、編集

2002年6月4日生まれ、地元は南三陸町。高校を卒業し、仙台の専門学校では音楽イベントについて学ぶ。仙台での一人暮らしデビューをきっかけに、次は何デビューしようかと憧れ対象になるものを日々探して生きている。

子供の時から好きなモノ

ルマンド(お菓子)
ぷよぷよ(ゲーム)
他所の犬(癒し)

相原

8BOOKs SENDAI学生部

2001年生まれ。宮城県仙台市出身。東北学院大学法学部法律学科卒。8BOOKsではカメラでの撮影を担っていた。一般企業への就職を考えていたが、気づいたときには保育士への道をこじ開けていた。春から保育士として働く。

佐藤

8BOOKs SENDAI学生部

2001年生まれ、生まれも育ちも宮城県。大学で心理学を専攻し、8BOOKsを題材に卒論を書く。8BOOKsでは、イラストレーターtomomi_typeさんの個展『みるもじ かくもじ』を企画。8BOOKsを卒業後は、公務員として働く。最近は、韓ドラや韓国アイドルにはまっており、韓国語を勉強中。

大蔵

8BOOKs SENDAI学生部

2003年、仙台市出身。東北学院大学教養学部に所属する大学生。SNSの投稿作成・確認、その他コンテンツの企画・運営を行っている。「ここでしたいことがある方、形にします。」
自分の理想像に近づける様、日々模索中。「どーせ忘れるから、やろう」のマインドで生きてます。

憧れの人は?

宋世羅
設楽統
美容師Sさん

古澤

8BOOKs SENDAI学生部

2001年生まれ、仙台出身。東北学院大学工学部に所属する大学生。
自分の軸を太くしようと成長中。現在はほっそい軸に色々な人の価値観をペタペタと張って世界を広げている。将来は軸が太くて、仕事を沢山こなす人の元で働きたい。

運転してみたい車

軽トラック
デリカ
ユーノスロードスター
7代目スカイラインR31

三上

8BOOKs SENDAI学生部

2002年生まれ、青森県出身。東北大学経済学部所属。
本は好き。読書は苦手。国語は得意。 趣味はいろいろ。ルービックキューブとか、オンラインで麻雀とか。 散歩もする。といっても遠回りして帰るだけ。ランニングもする。 インドアだし、アウトドア。だけど、「やっぱり一人で楽しんでいるんだね。」これはさっき言われた。

タイトルが気になる読んでみたい本

音楽心理学
階段がわかる本
うんこはあなたがするのではない

花木

8BOOKs SENDAI学生部

2002年、長野県出身。2021年東北大学理学部数学科入学。入学当初、興味の対象は主に純粋数学だったが、最近は数学の知識や数学的思考を社会に役立てる応用数学にも興味を持っている。ゆくゆくは,8Booksで子ども達を対象に数学の魅力を伝える企画なども行いたい。

髙橋

8BOOKs SENDAI学生部

2001年、宮城県出身。宮城教育大学 教育学部 美術教育専攻に所属。
将来はレンガ造りの一軒家で船越桂さんの彫刻を飾ったマイホームを建てる野望がある(内装も構想済み)。
ネコ科の動物が好きなので海外の富豪がトラを飼っているのを見て羨ましく思っている。

肌色属性

ブルべ夏 60%
イエベ春 20%
ブルべ冬 20%
イエベ秋 0%

大沼

8BOOKs SENDAI学生部

2002年、宮城県出身。現在は東北福祉大学の学生。精神保健福祉士を目指して勉強中。通ったことが無い道優先で進み、1日中ひたすら歩けるほどのお散歩マニア。
多趣味でじっとしていられない性格もあり、スケジュール帳のページを毎月ぱんぱんにしてしまうことが癖。
何事も冒険心を抱えて、どこまでも行きます。

穏やかな空間のおすすめカフェ

CAFÉ soyo
CAFÉ DE GARCON
コーナーハウス
Quiet Corner

山中

8BOOKs SENDAI学生部

2001年、栃木県生誕。東北大学経済学部在学中。
座右の銘は、「成功の反対は、失敗ではなく、挑戦しないこと」
好奇心旺盛に、何にでも挑戦したい。趣味は料理。得意料理は麻婆茄子。
将来の夢は、横浜の山下公園でチャウチャウと散歩すること。

スーパーに行ったら必ず買う物

しめじ
トマト缶
金麦

渥美

8BOOKs SENDAI学生部

仙台高専ロボティクスコース所属。趣味でWEBプログラミングや英語学習、音楽など多様な活動に取り組んでいる。モットーは「人と違う事、普通の環境では出来ない事をする」。2023年1月時点での座右の銘は「忘己利他」。周りからは落ち着きすぎて、年上だと思われているとか、いないとか…?

鈴木

8BOOKs SENDAI学生部

小林

8BOOKs SENDAI学生部

笈原

8BOOKs SENDAI学生部

法学部のぼくが保育士になるまで。

【はじまりのはじまり】


いつからだろう、子どもが好きになったのは


物心がついた頃にはすでに子どもが好きだった


けれども、子どもと積極的に関わってきたかと問われると、答えはノー


小・中がバスケ部、高校がハンド部だった私は、スポーツに打ち込んだ学生時代を送った


ただ、受験期には進路を考えるうえで、子どもと直接関われる仕事をしてみたいなあとは考えていた


実際に小学校の先生を目指し、国立の教育大を受験した


が、結果は不合格


そこまで思い入れはなかったため、滑り止めの私大へ入学を決めた


法学部法律学科


正直、法律に興味はない


もちろん惹かれる講義もない


けれど、キャンパスライフはそこそこ楽しかった


高校までの部活漬けの日々とは違って、自由で新しい毎日


ドライブでいろんなところへ行ってみたり、バスケサークルの大会に出てみたり、バイト仲間とコテージに行ってみたり


思い返せば、たくさんの経験をしてきた


特に、大学でできた友達との台湾旅行は今でも鮮明に覚えている


半年前から綿密に計画を立てて、パスポートを取って、カタコトの中国語を武装して


しかも、コロナウイルスが流行する直前で、駆け込みでの海外旅行だった


そう、ちょうどこの頃からコロナによって、私たちの生活様式は大きく変化した


 

【コロナでがらりと変わった日常】


感染症対策により自宅待機を余儀なくされ、経済は低迷していった


ぼくたち学生にもその影響は大きかった


オンラインでの講義に切り替わり、大学に足を運ぶことはなくなった


自宅から講義に参加できて楽な反面、友達と会うことがなくなった


段々と慣れてはいったけど、空虚感を拭うことはできなかった


このままでいいのだろうか、、、


苛まれる日々


ある程度コロナの流行が落ち着くとアルバイトが再開


依然として大学に通うことはなくて、バイト先が学校みたいだった


接客する中で、好き嫌いや得意不得意が浮き彫りになった


そして、気づけば就活をしなくちゃいけない時期に


もう就活かあ


自己分析、インターン、ES、ガクチカ、SPI


いまいちわからない単語ばっか


合同説明会に行ってみても、たいした収穫はナシ


働きたい業界もなければ、関心のある職業もない


なんとなく保険会社のインターンでも受けてみるか


そうしてインターンなるものを受けた


案の定、心には響かない


そもそも、嫌々就活したところで良い結果は生まれない


ただ、卒業後に就活浪人はしたくないだけ


そんなことを考えながら、やることもなくYouTubeを見た


 

【保育士を目指したきっかけ】


画面に映るのは子どもとパパ


育児系のYouTubeチャンネルだ


子どものほのぼのした様子に、つい顔がほころぶ


それと同時に、子どもがのびのび過ごせる環境を作り出しているパパを尊敬した


あくまで見守る姿勢に徹しているのが素晴らしい


こんな風になれたらなぁ


ふと、そんな感情が湧いてきた


それもそのはず、このパパは現役の保育士なのだ


自分も保育士目指してればなぁ


ここで、あることに気づく


「~たら」「~れば」


そう、無意識のうちにたらればを使っていたのだ


逃げていたのかもしれない


自分と向き合っていなかったのかもしれない


給料にボーナス、福利厚生、周りからの目


そこそこの企業を目指すぼく


就活に正解なんてないはずなのに


それをわかったつもりでいたのが憎い


好きな仕事がしたい


口ではそう言っても、本気で考えてはいなかったのだろう


「よし、保育士になろう。」


あっさり決めた


あまりの即決具合に自分でも驚いた


もともと子どもが好きだったから?


コロナ禍で考え方が変わったから?


はたまた、就活に嫌気がさしていたから?


何がそうさせたのかはわからない


ただ、やらぬ後悔よりはやる後悔がいい


大学3年生、夏


直感を信じて、保育士を目指すことにした


 

【2つの選択肢】


保育士を目指したはいいものの、まずぶち当たる問題


どうしたら保育士になれるのか


保育士になるには[検索]


Google先生に尋ねてみる


ふむふむ、なにやら保育士資格が必要らしい


資格を取る手段は2つ


養成学校を卒業するか、保育士試験に合格するか


まず、養成学校について考える


保育を学ぶだけでなく、卒業と同時に資格取得ができるらしい


めっちゃいいんだけど、デメリットはある


ここからかかる時間と費用だ


最低2年間の修学に200万円の学費


大学生のぼくには荷が重すぎる


続いて、保育士試験について考える


試験は半年に1回


筆記と実技の両方に合格することで資格が与えられる


受験資格が定められていたものの、幸いなことに条件はクリア


(保育士の受験資格についての詳細はこちら:https://hoyokyo.or.jp 


一般の大学生ながら受験はできるそう


合格率は20%前後


決して易しくはない難易度だ


ただ、在学中に資格取得できるのは魅力的だった


まあ受かったらの話なんだけど


費用がそこまでかからないことにも後押しされ、保育士試験に挑戦することに


〆切が迫っていたので、あわてて手引きを取り寄せた


 

【勉強、勉強、猛勉強】


申し込みは無事完了


息つく暇もない


なんせ試験まで3ヶ月を切っているのだ


試験の対策を練らなくてはならない


通信講座の受講料は6万円、独学だと教材費のみで1万円もかからないらしい


知識0で右も左もわからない状態


多少費用がかさんでも効率を重視しなくては、、、


ということで通信講座を比較してみる


あれれ


3か月を切ってからの通信講座がほとんどない


そう、それだけの期間での合格は至難の業


1年かけて資格取得を目指すカリキュラムがスタンダードだった


そんな短期間じゃ合格できないよ


そう言われている気がした


けれども挫けることはなかった


むしろ燃えた


独学で受かってやる


参考書、一問一答、過去問を揃えた


筆記に受からないことには実技に進めない


3か月間筆記に絞って猛勉強した





試験勉強で使用した参考書

 

【はじめての保育士試験】


保育士試験、当日


第一関門の筆記試験だ


運悪く、今回の試験会場は石巻


仙台在住のため、車で1時間はかかる


会場まで母親に送ってもらうことに


理解して支えてくれた母親には本当に感謝しかない


車内ではひたすら最終確認


集中しているうちに会場に着いていた


受験票を見せ、指定の席へ向かう


周りには老若男女問わずたくさんの受験者


まだまだ男性の受験者は少ないようだ


休憩の時間には、自習室でギリギリまで勉強


万全の態勢で試験に挑んだ


焦ることなく解き切ることができた


4科目の試験が終わった


後半の子ども家庭福祉と社会福祉は手応えがない


合格ラインに届いてないだろう


もう一発合格はできないんだな


帰り道で落ち込みかけた


だが、落ち込んではいられない


筆記は2日間かけて行われるのだ


誰だ、9つも受験科目を作った奴は!


そんなことを考えながら1日目を終えた__


2日目もやることは変わらない


休憩時間で勉強、試験に挑む、この繰り返しだ


5科目の試験が終わると、ドッと疲れがきた


怒涛の2日間だった


3か月間必死に勉強してきたのだ


合否はさておき、達成感に浸った


 

【結果とこれから】


1か月後


試験結果が届いた


「不合格科目があるため、実技試験にはすすめません。」


2科目落とした


自己採点通りだ


一発合格ができずに悔しさが残る


ただ、勉強期間が限られている中での7科目合格


よくやった方ではないか


自分を褒めることにした


半年後、またチャンスがある


就活も考えるとラストチャンスだ


ここで、一般企業の就活に戻ることもできた


だが、保育士試験に絞ることにした


理由は2つ、好奇心と熱意だ


未知の領域に飛び込むのは楽しかったし、保育士への憧れは強くなっていた


なにより、諦めたら後悔するに違いない


どちらもやる選択肢もあったが、欲張っても上手くいかないだろう


心がときめく方に舵を切り、突き進むことを決めた


 

【保育士試験、ふたたび】


大学4年生、春


2度目の保育士試験がやってきた


残り2科目


油断はできないので必死に勉強した


結果、学科は9科目全て合格


無事、実技に進めた


実技では、保育を総合的に実践する応用力が問われる


「音楽」「造形」「言語」


この3つから2つを選択して受験する


楽器の演奏と歌唱、色鉛筆での絵画制作、お話のテスト


これがそれぞれの課題だ


ぼくは音楽と言語を選択


絵を描くのが苦手だから消去法だ


演奏楽器はピアノ、読み聞かせは「3びきのこぶた」を選択


といってもどちらも経験は全くない


正直、不安しかない


 

—2か月前—


筆記の合格を見越して、ぼちぼち実技の練習を始めていた


結果が届いてからでは遅いのだ


手本の動画を参考に音楽の方から練習開始


幸い、妹が電子ピアノを持っていたので借りることができた




妹から借りたピアノ

さっそく弾いてみる


ちゃんとピアノを弾くのは初めてで、なんだかちょっとワクワクした


まるで新しいおもちゃを買ってもらった子どものようだ


好奇心のおかげか、徐々に右手でコードを弾けるようにはなった


なーんだ、思ったよりピアノ簡単じゃん


初心者ながら最初はそう思っていた


が、左手でベースの練習を始めた途端に気づいてしまった


壊滅的に両手での演奏ができねえ


そう、ピアノは両手での演奏が求められるのだ


右手だけの時とはうってかわって、不安な気持ちが押し寄せてくる


それに、本番では演奏に合わせて歌わなくてはならない


このままだと合格できない


そう察したぼくは、ピアノ教室に電話をかけた


必ず今回の試験で合格したいことを伝え、入会した


 

—1か月前—


ピアノ教室に通い始めた


期間は限られている


レッスン回数を通常の2倍に増やしてもらった


1か月で2万円、安くはない


初めてのレッスンで、グランドピアノの鍵盤の重さに戸惑う


電子ピアノとはここまで違うのか


適当なキータッチでは、グランドピアノは応えてくれない


ただ、担当の先生は親身になって一から教えてくれた


お金を惜しまずに入会したかいがあった


ただ、音楽ばかりやってはいられない


言語の試験対策もしなくては、、、


頭ではわかっているのに、読み聞かせの参考動画すら見る気になれない


音楽より難易度は低いと思っていたので、なかなかやる気が出ないのだ


そこで、動画の音声をiPhoneに取り込むことに


暇なときにBGMとして流す作戦だ


試験では早口になることが多いらしい


あえてゆっくり聞くことにした


 

—2週間前—


この時期には、課題の2曲どちらも両手で弾けるようになった


短期間でここまで弾けるようになるとは!


まだまだ不安な要素はあったが、一安心だ


ただ、歌うことができなければ合格はできない


なんなら演奏より歌唱が評価されるらしい


歌の練習にも取り組んだ


また、「3びきのこぶた」の内容はある程度頭に入っていた


BGM作戦がうまくいったのだ


実演練習をすべく、向かったのはカラオケ


普段とは打って変わって、自習室としての利用


こんな真面目な使い方は初めてだ


「3びきのこぶた」は3歳児向けのお話


おおかみとこぶたによるメリハリのある掛け合いがポイント


そこで、実演しているところを動画で撮ることにした


俯瞰しなくては気づけないことがたくさんあるだろう


撮る、確認、撮る、確認、撮る、確認、、、


こんな感じで、キャラクターを作っていく


制限時間の3分間に収める練習もした


飽きて、ただカラオケすることも、、、


気分転換のためにも必要だった


たぶん


 

—1週間前—


子どもが中心のピアノ教室でよかった


お子さんと保護者に発表する機会を設けてもらえたのだ


リアルな環境での発表はとてもいい経験


そのおかげもあり、鍵盤を弾く強さや歌唱が安定してきた


通し練習も何度かしたので自信もついてきた


また、「3びきのこぶた」も、リズム感を持ってまとめることができるようになった


ピアノ教室で読み聞かせの機会もいただいた


そこでも好評だったので自信が持てた


特に褒められたのは、意外にも眉の動き


マスクをしながらの試験で活かさない手はない


さらに、試験会場へ足を運んで経路の確認もした


念には念を入れて、当日に向けた準備は欠かせない


 

【ぼくvs実技試験】


第二関門の実技試験


いつもより早めの6時に起床


早めに寝ていたので目覚めはバッチリ


気持ちを落ち着かせるため、30分だけ軽く練習


本番で声が出ないのだけは避けたかった


朝ごはんも気持ち軽めに食べて、試験会場へ向かった


試験会場に到着


ガイダンスを受けるため、大教室へ向かう


たくさんの受験者がいたが、そのほとんどが女性


男性はせいぜい5人くらい


まさかここまで少ないとは


そして、ここで初めて試験のスケジュールがわかる


ぼくの音楽と言語の試験間は1時間


ガイダンスが終わると、試験時間が早い人から順に待機室へ向かった


 

【1戦目・音楽】


音楽は1時間後の試験だったので、そのまま待機室へ


男性はぼくだけ


15分前になると、試験室前に呼ばれた


まさかのトップバッター


緊張が高まった


ただ、先手必勝ではある


他の受験者の弾き歌いが聴こえてこないのだ


不安になることは避けられた


いざ試験室へ


採点委員は2名


挨拶をして、指示通りピアノの椅子に座る


そして演奏本番


ここからは完全に自分のタイミング


意識して呼吸を整える


1曲目は「小鳥のうた」


歌唱中は余裕がなかった


しっかり息が吸えない


ただ、何度も練習してきたおかげで歌い切ることはできた


演奏は1ヶ所だけタッチミス


2曲目は「びわ」


1曲目である程度緊張はほぐれていた


いつも通りの歌唱と演奏を心掛けた


結果として、リズムを崩すことなくノーミスで終えることができた


全体的に80%は発揮できたと思う


心残りとしては、緊張で顔がこわばってしまったことだ


笑顔を心掛けようとはしたが、そこまでの余裕がなかった


まあ、大きなミスをしないのが目標だったので良しとする


 

【2戦目・言語】


音楽の1時間後の試験だったので、そのまま待機室へ


こちらでも、男性はぼくだけ


15分前になると、試験室前へ


ここまでは音楽の試験前とほとんど同じだ


待機時に受験者の読み聞かせの声が耳に入ってくる


なんだかみんな上手く感じる


気が散らないように台本で最終確認をした


試験本番


深呼吸をしてから挨拶


採点委員と向かい合った椅子に座る


目の前には椅子が2脚


この椅子を子どもに見立て、読み聞かせを行う


間もなくタイマーの音が響いた


スタートの合図だ


「3びきのこぶた。」


強調するワードはゆっくり、眉をあげて話すことも忘れない


話し方や目元から表情を伝えることを大切にしたのだ


そうでもしないと、マスクを着けながら良い印象は与えられない


ただ暗唱すればいいわけではないのだ


それと、こぶたとオオカミの演じ分けもしっかりと意識した


しかし、熱中するあまり、子供に見立てた椅子を見ずに話してしまうことがあった


あくまで子どもに向けての読み聞かせ


目線を合わせない時間はマイナスだったに違いない


けれど、話が飛ぶことはなく、制限時間にも収めることができた


実技を受けるのは初めてで、100%は発揮できていない


ただ、筆記とは違った緊張の中、ぼくが思う最低ラインは超えられた


どうか及第点を超えてますように!


 

【結果はいかに、、、】


1か月後


やっと保育士試験の結果が届いた


めちゃくちゃ待った


おそるおそる結果を確認


「保育士試験に合格したことを通知します。」


うおおおおおおおおお!


50点満点で、音楽が42点、言語が45点


予想以上の結果


初めてだった割には高得点ではないだろうか


予想を上回る結果で嬉しい


まずは、合格できて一安心


新卒で働きたかったため、なんとしてでも今回は受かりたかったのだ


保育士を目指すのはなかなかのチャレンジだったが、後悔ない選択ができたと思う


なにより、自分を信じて突き進むことができて良かった


合格はもちろん嬉しいけど、まだ始まったばかり


これからは就職先を決めなくてはならない


理想に近い保育園で働くためにも、就活がんばろう


 

【救世主、保育士フェア】


そもそも「保育士フェア」をご存知だろうか


保育園や幼稚園など、保育系に特化した合同説明会のことである


実際に働いている先輩方と直接話すことができる


保育関係のつながりがないぼくにとっては救世主のようなイベントだ


主なターゲットは、就活中の保育学生や、 転職を検討している現役保育士


保育とは無縁の大学生だったが、温かく迎え入れてくれた


いくつかブースを回ったのだが、そこでとある東京の保育園に興味を持った


後に就職する会社だ


実際に保育園へお邪魔させていただいたのだが、先生方は常に気を配っている


お遊戯会の練習では飽きさせないように


お誕生日会のときはみんなが楽しめるように


常に危険と隣り合わせの遠足では、休むことすらできない


ちいさな命を授かる責任の重さがそこにはあった


ひたすらに子どもたちと全力で向き合う


そんな姿に憧れを抱いた


自分もこうなりたい


これがこの保育園を志望した一番の理由


と、言いたいところだが、ちょっと抽象的すぎる


そこで、具体的な志望理由を3つにまとめた


 

【就職を決めた理由3選】


①男性が多い職場環境


保育士が保母と言われていたことをご存じだろうか


ここからもわかるように、保育士は女性の職業だった


ただ、最近では男性保育士も増えてきている


てぃ先生やつるの剛士などの男性タレントも、保育業界を盛り上げてくれている


だが、まだまだ少ないのが現状


(保育士登録者数の男女比表 厚生労働省HP引用:https://www.mhlw.go.jp/content/000656131.pdf


保育施設の職員のうち、女性の割合が95%ほど


男性の割合は5%にも満たないのだ


聞くところによると、男性保育士への風当たりが強いことはまだあるらしい


ただ、今回の園は男性保育士が多かった


なんと、男性職員が半数を占める園もある


女性と働くのが苦手なわけではない


ただ、同じ境遇に男性職員が近くにいてくれるのは心強い


➁家賃補助


会社が従業員の住宅費の一部を手当として支給してくれる制度


就活で最も重視していた福利厚生だ


今回の園は家賃を全額保証していただける


国からの補助もあり実現できているそうだ


嬉しさ極まりない


特に、東京は地方と比べて家賃が高いからなおさらだ


「それなら、地方で就職すればいいんじゃない?」


そう考えるのが妥当だが、地方を選ばなかったのは1つ目の理由に繋がる


地方だと、男性保育士が少ないのだ


そのため、家賃補助の有無は重視した


➂運営主体が株式会社


「株式会社だからってそんなに違いあるの?」


意外と違いがある


ここでは、社会福祉法人と比較してみる



はっきり言って、経営が安定していることが多いのは社会福祉法人


なぜなら、非営利団体で国から優遇されているため、運営費に余裕があるからだ


職員の給与や賞与も良い傾向にある


ただ、心配なのが人間関係だ


地域に根強いた保育園が多く、園長が絶対的権限を握ることが多い


もちろん園長が優れていれば、良好な職場環境を手に入れられる


ただ、そう上手くはいかないのが現実


昇給させてもらえないなど、不当な扱いを受けることが少なくないようだ


それに対して、株式会社であれば会社(株主)がトップにある


つまり、園長も会社の監視下に置かれているのだ


そのおかげか、株式会社は慣習が少なくオープンな雰囲気がある場合が多いらしい


一概に決めつけることはできないが、実際に保育士から耳にしたので信ぴょう性はありそうだ


他にも、研修制度やキャリアアップ制度、業務のIT化にも積極的なところは魅力的だった


もちろん、社会福祉法人の良さもたくさんある


ただ、ぼくに適した運営主体は株式会社だった


 

【これまでの振り返り】


さかのぼること、1年半前の7月


急な思いつきで保育士を目指すことを決めた


今考えてみると、思い切った挑戦だった


学生課に保育士試験の必要書類を取りに行ったとき、大学職員にぽかんとされたのは今でも覚えている


福祉系の学部がないから困ったのだろう


周りの友達は一般企業や公務員を目指して就活


ベクトルの違う業界へ飛び込むのは少しばかりの不安があった


けれども、1歩踏み出してしまえば、思ったより上手いこと進んでいった


もちろん、保育士試験合格は容易ではない


今回の園に就職できたのも、保育士フェアで偶然お会いできたから


ただ、それも全て小さな一歩がきっかけ


少しの勇気を持って踏み出せれば、案外トントン拍子で進んでいった


あとは、好奇心の持てる選択により楽しめた部分もある


将来へのワクワクを常に持てたので、モチベーションを高く保つことができたのだ


興味の持てない企業にいやいや就活を進めるよりよっぽどいい


総じていい選択だったのではないだろうか


 

【最後に】


現在、ぼくは自由気ままに毎日を送っている


単位を取り切ったので大学には1年以上通っていない


ある程度のバイトだけして、あとは好きなことをしている


最近では、仙台のグルメを巡るのに夢中だ


「保育士になるための準備をしなさい!」


そんな声が、どこからかともなく聞こえてきそうだ


ごもっともな意見だが、それはこれからでも間に合う


ただ、人生の夏休みと謳われる大学生活は今しかない


「もっと大学生を楽しんでおけばよかった、、、」


そんな後悔は二度と取り戻すことはできないはず


残りの期間は全力で楽しむこととしよう


いざ仕事を始めてみると、保育士が適職ではないかもしれない


だが、仮にそうだとしても失敗だったとは思わない


結果はどうであれ、選択により次のステップに進める方が大きいからだ


可能性のなかに生きるよりいい


そもそもやってみなくちゃわからないしね


保育士試験を受けようか迷っている方、


変化を恐れて現状維持をしてしまう方、


すぐ言い訳をして諦めてしまう方、


それぞれ事情はあれど、一度は挑戦してみることを強く勧めたい


「ただの大学生が何偉そうなこと言ってるんだ!」


わたしもそう思う


ただ、逆に考えてみてほしい


こんな大学生でも保育士になれたのは事実なのだ


背中は押せても、歩みを進めることができるのはあなただけ


熱意があれば、応援してくれる人は必ずいるはず


ぼくも挑戦し続けます


まずは一歩踏み出しましょう


こんな拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました


 

【おまけ】


半年前、たまたま8BOOKsのスタッフになった


ここでは、カメラや旅行などの好きなことを活かし、裁量権を持って働くことができた


個性の強いスタッフたちと過ごした日々も、素敵な思い出となって昇華されている


そして今回、このような記事という形で想いを綴った


頭の中が整理されて、新天地でも自分らしくフラットに生活できそうだ


短い期間だったが、ここで働くことができて良かった


この場をお借りして、8BOOKsで関わったすべての人へ感謝を申し上げて締めようと思う


みなさん、ありがとうございました

記事を書いた人

相原

8BOOKs SENDAI学生部

2001年生まれ。宮城県仙台市出身。東北学院大学法学部法律学科卒。8BOOKsではカメラでの撮影を担っていた。一般企業への就職を考えていたが、気づいたときには保育士への道をこじ開けていた。春から保育士として働く。

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